熱交ドリル

スチームトラップ、安全弁・逃し弁・減圧弁

スチームトラップ

自動弁の一種で、なるべく蒸気を外に漏らさないように、蒸気雰囲気の中から凝縮したドレンだけを排出する目的で使用されます。蒸気漏れを起こさず、速やかにドレンを排出し、更には空気などの不凝縮ガスも排出します。
フロート式、ピストン式、バイメタル式など、様々なタイプがあります。
蒸気は潜熱を放出すると凝縮してドレンになりますが、このドレンには蒸気本来の働きをする能力がなく、熱交換器内に溜まると伝熱面積が減少し、加熱能力不足を引き起こします。さらに、滞留ドレンと蒸気が接触するとウォーターハンマー(別名スチームハンマー)が発生する等の問題も生じるため、ドレンを速やかに取り除く必要があります。そこでこのスチームトラップが必要となります。

設計段階では、ドレン排出量に大きな安全率を見込む必要があります。また、前後の圧力関係によってオリフィス径が変わります。凝縮ドレンを還水タンクへ戻すために配管を天井裏まで立ち上げることが多く、必ず背圧が掛るものとして注意して選定してください。

タイプ フロート バケット ディスク エレメント バイメタル ピストン
安全率 1.5以上 2以上 2以上 2以上 3~5以上 3~5以上

安全弁・逃し弁

熱交換器の内部で水が密閉された状態で沸点を超えて加熱されると、体積の膨張と共に圧力が上昇します。従って、熱交換器内部に設計圧力以上の圧力がかからないようにするために、逃し弁が必要となります。

減圧弁

蒸気、空気、ガスなどの圧力が使用目的に対して高すぎるとき、これを減圧して減圧後の圧力を一定に保つために用いられる弁です。減圧後の圧力が所定の値に保持されるように、死荷重、ばね、ダイヤフラムなどによって制御されます。減圧側の圧力が小さくなると、これらの力により弁が開き、逆に減圧側の圧力が高くなると弁が閉じるように自動的に制御されて減圧側の圧力が一定に保たれます。構造は多種多様ですが、必ず高圧側に止め弁、低圧側には逃し弁または安全弁が設けられます。