プレート式熱交換器を使う5つの省エネルギー用途とそれらを組み合わせた省エネルギーの事例を紹介します。
エネルギーを経済的にみると…
熱回収による省エネルギーで
どのくらい利益が見込めるか?
(例)30㎥/hの温水を20℃から70℃まで50℃昇温する場合
- ① 「熱回収早見表(1)」の縦軸の50℃から右方向に水平に線を引く
- ② 30㎥/hの曲線との交点から下方向に垂直に線を引くと、横軸との交点から回収熱量は1,750kWとなる
- ③ 続いて、②の線を「熱回収早見表(2)」内の3k蒸気の直線まで下方向に垂直に伸ばす
- ④ 3k蒸気の直線との交点から左方向に水平に線を引くと、横軸との交点から省エネ額は約1,250万円/月となる
上のグラフは設備の運転時間とエネルギー価格を以下の通りとした場合
運転時間:720時間/月(≒24時間×30日)
3K蒸気:6,000円/トン
電 気:28円/kWh
チ ラ ー:¥11kWh(COP=5)
- 無限大記号の形∞になる
熱回収のループを見つける
- 温度の近い熱源を使って効率化!
最適な加熱・冷却源を見つける
- 蒸気の持っている熱(潜熱)を使う
- 温度条件を見直して運転条件を変える
- 常識にとらわれず
ベストソリューションを目指す
化学業界
クラフトパルプの漂白
プロセス概要
ClO2水溶液を蒸気で加熱するプロセスとチラーユニットへ供給される水が電気で冷却されるプロセスがあります。
- 改善効果
- チラーユニットに供給される水をClO2タンクからのClO2水溶液で冷却することで、冷熱回収ができます。蒸気で加熱するClO2水溶液は白液から熱回収した温水で加熱できます。
チラーユニットの消費電力が低減され、加熱蒸気が不要になります。
多重効用蒸発装置
プロセス概要
標準的な3重効用缶式濃縮装置で、単缶式濃縮装置と比較して蒸気使用量を約3分の1に削減できるため、一般的によく使われています。
- 改善効果
- 3缶目の排蒸気とプロセスフィードの温度差は非常に小さいですが、高性能なPHEを濃縮器として使うと排蒸気の凝縮熱でプロセスフィードを予熱できるため、加熱蒸気と冷却水を節約できます。また、それぞれの濃縮缶から出てくる濃縮液と供給される原液のプロセスフローに無限大記号の形∞になる熱回収ループを見つけることにより、新たな熱回収ループを構築できます。
CO2回収
プロセス概要
このプロセスでは、吸収塔で低温のリーンアミンがCO2ガスを吸収してリッチアミンとなります。このリッチアミンは昇温されて再生塔でCO2ガスを放出してリーンアミンとなり、冷却されて再び吸収塔に戻り、CO2の吸収/放出を繰り返します。
- 改善効果
- 再生塔からの高温リーンアミンは冷却されて吸収塔へ、吸収塔からの低温リッチアミンは昇温されて再生塔へ供給されます。高温リーンアミンと低温リッチアミンを熱交換することにより、再生塔での蒸気量を削減できます。