製品/用途

プレート式熱交換器の特長

高性能

乱流促進構造

プレート式熱交換器の伝熱プレートは、ヘリンボンパターンなどの波形状を採用しています。
この2枚の伝熱プレートを重ね合わせた空間を流れる流体は伝熱プレートと伝熱プレートの間の複雑な流路を通過するため乱れが大きくなります。そのため、

①伝熱プレート間を流れる流体の温度が均一になる。
②伝熱プレートに接する流体には、熱交換の妨げになる流れのない膜(これを境膜(きょうまく)と呼ぶ)が形成されるが、流れが乱れていると膜が薄くなるため熱が伝わり易い。

という利点によって、熱交換の効率が良くなります。
また、流す流体の種類によって、熱交換器は使用しているうちに伝熱プレート表面にスケール(汚れ)が付着し熱交換の妨げになりますが、プレート式熱交換器は流体の流れを乱すことで自己洗浄機能も持ち合わせています。

1.2倍の表面積

プレート式熱交換器の伝熱プレートは、ヘリンボンパターンなどの波形状を採用しています。
プレス加工により形成された波形状によって、伝熱プレート1枚当たりの表面積が平板と比べておよそ1.2倍に大きくなるため流体が熱交換する領域は大きくなります。このため、例えば平らな伝熱プレートと波形状の伝熱プレートに同じ流量の流体を流した場合、波形状の伝熱プレートの方が表面積あたりの流量が少なくなるため、流体が流れている間に接する熱交換領域の範囲が大きくなり、熱の移動が大きくなります。また、この表面積がおよそ1.2倍と大きくなる特徴により、設備において設置面積はコンパクトになります。

並行流と対向流

プレート式熱交換器は並行流と対向流のどちらでも使用できます。
一般的に対向流は並行流よりも流体の温度勾配を大きく取れるため、熱交換するうえで有利に働きます。

変形抑制構造

ヘリンボンパターンなどの波形状の伝熱プレートを上下反転し交互に重ね合わせているため、空間を形成する伝熱プレートの凸と伝熱プレートの凹がクロス状に接触して支え合うので流体の圧力に対する伝熱プレートの変形を軽減させる優れた構造です。

敏速な運転応答性

器内容積が小さく流体の乱流度が高いので運転条件の変更に対して素早く追随します。
運転開始から求められる運転条件に達するまでの時間を大幅に短縮でき、運転条件の変更にも素早い応答が可能です。

小さな器内容積

プレート式熱交換器は伝熱効率が高いため、伝熱面積・器内容積を小さくすることができます。
例えば食品工場の生産効率の向上、製品ロスの削減、またはフロンなどの冷媒の使用量を小さくできます。

軽量・コンパクト

プレート式熱交換器は、薄い伝熱プレートと小さな器内容積のため多管式に比べ、非常に軽量でコンパクトです。軽量なため、基礎や架台、据付工事のコストダウンが可能です。コンパクトなため設置面積を削減でき、設置スペース内で分解ができます。